文化を力に変える、日本発ビジネスの挑戦(Global Pitch Tour 2025 インドネシアツアー vol.2)

EMC GLOBALが全国の学生を対象に開催する「Global Pitch Tour 2025」のインドネシアツアーに参加した4名の学生たち。この記事では9月9日の様子をお届けします!

この日は、アニメグッズやガチャガチャを通じて日本文化を発信するFunboxの亀田さん、そしてインドネシアの金融事情や外資規制について語ってくださったResona Indonesia Financeの西森さんを訪問。文化をビジネスに変える発想や、進出の難しさを逆にチャンスへと捉える視点など、学生たちにとって刺激的な学びが広がった一日となりました。

学生たちは現地で何を感じ、どんな気づきを得たのでしょうか?

それでは、ジャカルタでのDay1を振り返ります!

Company Visit: Funbox (Manufacture Indonesia)

最初に訪れたのは、アニメグッズやガチャガチャといったコンテンツ産業を手掛けるFunbox。

学生たちが驚いたのは、単に製品力だけでなく「日本人の性質や文化そのもの」を強みとして活かし、インドネシアでビジネスを展開している点でした。

山本伊織さんは「プロダクトの強みではなく、日本人の気質をビジネスに転換しているのがとても面白い」とコメント。藤田結香さんは「海外で事業を営むルーツやきっかけを聞き、多くの刺激を受けた」と語ります。

さらに「会社に入るか、社会を創るか」という二項対立ではなく、「会社に入って社会を創る」というキャリアのあり方に触れられたことも印象的でした。

何より強く心に残ったのは、海外で働く際の姿勢についてのお話です。

「日本がインドネシアを選ぶのではなく、日本をインドネシアに選んでもらう」「上から目線でなく、その国で働かせてもらう意識が大切」。

学生たちは、この謙虚でリスペクトに満ちた考え方に大きな共感を寄せていました。

Company Visit: Resona Indonesia Finance

続いて訪れたのはResona Indonesia Finance。

ここでは、インドネシアでの金融事情や外資企業進出の現実について伺いました。

城間凛之介さんは「外資系企業は設立に100億ルピア(約1億円)の資本金が必要と知り、進出の難しさに驚いた」と率直に語ります。

佐々木宙さんも「これまでインドネシアは人口増加による魅力的な市場というイメージだったが、規制が多くビジネス環境は想像以上に厳しい」と印象が変わったようです。

ただし同時に、規制の厳しさは競合にとっても同じハードルであり、乗り越えれば参入障壁となり得る点に気づきました。

佐々木さんは「困難をチャンスに変える思考を持ちたい」と決意を新たにしています。

また、農業分野の課題は日本と共通して「資金不足」であり、Resonaも農機リースを検討中とのこと。

佐々木さんは「農家の信用スコア化で銀行が融資できる仕組みが必要」と、自分の関心分野に重ねて学びを深めました。

Students’ Voices

山本伊織さん
1日目はFunBoxさんとリソナさんにお邪魔しました。FunBoxさんはインドネシアでコンテンツ産業をメインに扱い、アニメグッズ(アクスタなど)やガチャガチャを、日本企業の強みを活かして展開していました。プロダクトの強みというよりも、日本人の性質上の強みを活かしてビジネスを営んでいるのがとても面白いと感じました。

城間凛之介さん
今日はインドネシアでFunBoxさんとりそなインドネシアファイナンスさんのお話を聞きました。インドネシアの現状やビジネス面でのメリットとデメリットを知りました。一番驚いたのは、会社を作るのに外資だと1億円くらい必要だというところで、外資の進出の難しさを知りました。

佐々木宙さん
キャリアの面でいうと、企業に入って海外拠点の立ち上げに関わることはとても面白そうだと感じました。できることの規模が大きく、自分の挑戦したい領域と重なる部分が多いと思いました。
ビジネスの面では、これまでは「発展していて人口も増えている魅力的なマーケット」という印象を持っていました。しかし実際に話を聞くと、資本金が1億円必要であったり、外資企業の進出に規制があるなど、新しくビジネスを始めるにはかなり難しい環境だと感じました。
自分がやろうとしていた農業系のビジネスも外資規制の対象に含まれているようです。ただ、農家の課題が「資本金の不足」である点は日本と同じであり、リソナ銀行も農機リースを検討しているとのことでした。したがって、農家の信用スコア化によって銀行が融資できるようにする仕組みは必要だと感じました。
さらに、規制が多くビジネス環境としては難しそうに見える一方で、FunBox社の話を聞くと、規制があることで競合他社にとっても参入のハードルが高くなり、その分参入障壁となることに気づきました。つまり、そのハードルを乗り越えられれば競合優位性を築きやすいと感じました。
「自社にとってのハードル=他社にとってもハードル=参入障壁=チャンス」。だからこそ、「ここは厳しいかも」と思った時に思考停止するのではなく、「むしろチャンスかもしれない」と捉えられるようにしたいと思いました。

藤田結香さん
1日目はインドネシアでFunBoxさんとりそなインドネシアファイナンスさんにお邪魔しました。海外でビジネスをすることになったきっかけやルーツを伺うことができて、たくさん刺激を受けました。
また、「会社に入るか、社会を創るか」とは別に、「会社に入って社会を創る」という道もあるんだなと学びました。
そして1日目で一番心に残ったのは、「やってあげる」という気持ちで向き合うのは良くないということです。海外で仕事をする時、日本がインドネシアを選ぶのではなく、日本をインドネシアに選んでもらう。上から目線で偉そうにするのではなく、その国で働かせてもらうという意識が大事だというお話にとても共感しました。

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