「ユニコーンではなくエレファントを」――インドで学んだ“持続的な成長”(Global Pitch Tour 2025 インドツアー vol.2)

10月9日(木)、学生たちはインド工科大学ハイデラバード校(IITH)を訪問し、SIC(Suzuki Innovation Center)でのプログラムに参加しました。

この日は、IITHと武蔵野大学との調印式も行われ、大学間の新たな連携が正式にスタートしました。

SIC(Suzuki Innovation Center)訪問

朝一番に訪れたのは、IITHのキャンパス内にあるSIC(Suzuki Innovation Center)。
ここでは、SUZUKIがインド国内でどのように産学連携を進めているのか、その取り組みの詳細を学びました。

印象的だったのは、「ユニコーンではなくエレファントをつくる」という理念です。

短期的に急成長して一気に価値を上げるユニコーン企業ではなく、社会の基盤を支える強く大きな“象(エレファント)”のような企業を育てていく――そんな考え方が、学生たちの心に深く残りました。

農業など第一次産業にテクノロジーの力を掛け合わせ、8億人もの人々が関わる巨大市場に挑む姿勢は、まさにインドらしいダイナミズム。

「日本では考えられないスケール感」と口をそろえる学生たちは、その社会構造の違いに驚きながらも、アントレプレナーとしての新たな視点を得ていました。

■IITH学長との対話と調印式

続いて行われたのは、IITHと武蔵野大学の調印式。
IITHの学長からは、今後の教育カリキュラムの方向性や、アントレプレナー教育の核となる考え方について語られました。学生一人ひとりの可能性を引き出す教育、プロダクトドリブンな学び――それは、EMCが大切にしている理念とも通じるものでした。

調印式後、学生たちは学長と直接話す機会も得て、大学としての挑戦的な姿勢、学生への期待の大きさを肌で感じました。「大学の中にスタートアップ施設があり、学生が日常的に起業活動をしている」と聞き、その実践的な教育体制に強く刺激を受けた様子でした。

この日の体験を通して、学生たちは国や文化が違っても「良いプロダクトを生み出す力」と「挑戦を支える教育」の根幹は共通していることに気づきました。
情熱ある学生、支援する大学、連携する企業――三者が有機的につながることで、持続可能なイノベーションが生まれる。
IITHでの時間は、その構造を実感する貴重な機会となりました。

■Students’ Voices

シュレスタ アロクさん

今日はSICの訪問とIITHと武蔵野大学の調印式に参加しました。
SICではユニコーン企業ではなくエレファント企業の創出を目指すと掲げており、インドにすごく親和性のある目標だと思いました。8億もいる第一次産業に注力することは日本の市場では考えられないのでおもしろかったです。
また、調印式では学長と話す機会があり、新たなIITHのカリキュラムや目標を教えていただきました。僕も今の企業には情報技術とアントレプレナーの精神が必要だと思っていたのですごく共感しました。
僕も将来アカデミアに進むなら学長のようなプロダクトドリブンな学びを与えられる教員になりたいなと思いました。

佐々木 華彩さん

IITHのキャンパス内にあるSICを訪問しました。そこで、SUZUKIがインドでどのような取り組みを行っているのかを詳しく知ることができ、産学連携の大切さを改めて実感しました。
急成長しているこの大学が、新しいことに早い段階から挑戦し、インターンシップの受け入れにも積極的である点がとても印象的でした。
「ユニコーンではなくエレファントをつくる」――つまり、中小企業を数多く育てていくという考え方が特に心に残りました。国の成長を支えたいという強い想いが伝わってきました。
そして今日は、IITHの学長との調印式を行いました。IITHの独自の取り組みについて多く学ぶことができ、アントレプレナー教育の最先端に触れる貴重な機会となりました。
良いプロダクトを生み出すことの重要性、そして優れた起業家を育てるためのさまざまな仕組みが整っていることを知りました。学生一人ひとりへの期待の大きさも感じ、IITHの今後の発展がとても楽しみです。

高田 歩さん

今回はSICとIITHの学長のお話を聞きに行きました!
まずSICでは、インドの市場の魅力をたくさん知ることができました。マーケットの多さ、農業などのテックの奥深さ、聞けば聞くほどインドで起業しない理由はないのではと思うほど魅力的なお話でした。
インドでやって日本版に形を変える。そんな感じでやるのが実はいいのではと考えながらワクワクしました!
IITHでもめちゃくちゃ胸が熱くなるようなワクワクする話を聞けました!スタートアップがたくさん大学内で出てくる中でどんなスタートアップがあるかと聞いたら外に連れ出されて、あの施設はスタートアップだよと、学校内にあるんかいみたいな。
大学の力の入れ方がすごすぎて、ワクワクでした!何より一人一人の学生への期待というか思い入れが強く、こんな大学がたくさんあってほしいなと思いました!

この一日は、学生たちにとって「インドのリアルな起業教育」と「社会課題と向き合うビジョン」に触れる、濃密な時間となりました。

ハイデラバードでのプログラムは以上で終了です!
一行はこの夜にムンバイに向けての飛行機に乗り込み、翌日からはムンバイでのプログラムがスタートします。

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